平成20年基準における事業費・管理費の意義と財務基準
2018年09月13日

齋藤 健
(さいとう・つよし 公認会計士・元内閣府公益認定等委員会事務局課長補佐)
(さいとう・つよし 公認会計士・元内閣府公益認定等委員会事務局課長補佐)
- CATEGORY
- 会計実務・事業費・管理費
- 対 象
- 公益法人・一般法人
目 次
- Ⅰ 事業費・管理費の意義
- Ⅱ 公益法人会計基準の目的
- Ⅲ 事業費・管理費科目
- Ⅲ 減損処理の対象資産
- Ⅳ 事業費と管理の配賦計算
- Ⅴ 財務基準との関係
- 収支相償
- 公益目的事業比率
- 遊休財産規制
- Ⅵ まとめ
Ⅰ 事業費・管理費の意義
事業費とは、法人の事業の目的のために要する費用であり、当該事業に跡付けられる費用である。管理費とは、法人の事業を管理するため、毎期継続的に要する費用であり、法人の事業に跡付けることのできない費用である。法人が継続していくために、必要な経常的な費用といえる。事業費と管理費の区分の必要性については、現行の公益法人会計基準において求められたものではなく、昭和52年公益法人会計基準設定時から求められているものであり、特に目新しいものはない。実務的には、法人の経営実態を考慮して、現行の公益法人会計実務において、概念整理が行われているが、基本的には事業費と管理費の区分の必要性に変更はない。
本稿では事業費と管理費の区分の目的を再確認し、正味財産増減計算書の表示科目のうち、どのような科目が事業費・管理費に該当するのかを公益法人会計基準の目的から検討する。あわせて、公益認定法で定められる財務3 基準との関係を解説していくこととする。
Ⅱ 公益法人会計基準の目的
昭和60年改正基準以前においては、予算制度と収支会計が中心となり、公益法人の活動に伴う資金のフローと保有する財産の状況を明らかにすることに主眼があった。その後、平成16年改正基準では、広く一般的に用いられている企業会計の手法を可能な限り導入し、公益法人のディスクロージャー(財務情報の透明化)を充実させることとし、外部報告目的に主眼が置かれるようになっている。現行の平成20年基準も、基本的に平成16年改正基準の目的を踏襲しており、主に財務諸表の表示面で、現在の公益法人制度への対応が図られたものとなっている。
いずれにしても、法人の活動財源の提供者である寄付者、補助金提供者
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