東京都認定等審議会『議事要旨』公開に見る審議の実像
2018年04月10日
出口正之
(でぐち・まさゆき 国立民族学博物館教授)
(でぐち・まさゆき 国立民族学博物館教授)
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目 次
はじめに
東京都の公益認定等審議会(以下「審議会」という。)では、小池都知事の情報公開の方針を受けて、一昨年10月より議事要旨を公表するようになった。本稿はこの点を受けて、はじめに情報公開の意義を論じていきたい。また、筆者のところには、関係者から公益法人制度改革前よりも指導が細かくなったと言う声がしきりに届く。ひどい場合には、「箸の上げ下げの指導」から「爪楊枝の上げ下げの指導」に変わったという感想もある。「箸の上げ下げの指導」というのはまさに役所文化であったが、制度が変わってどの程度変化しているのか、議事要旨を分析することで検証していきたい。Ⅰ 東京都の情報公開の意義
近年の内閣府公益認定等委員会の議事等に関する公開の状況について、第1期、2期に認定等委員を務めた筆者は非常に気になっている。例えば、内閣府は「新公益法人制度における全国申請状況」を毎月発表していたが、2016年3月末の数字を発表した後、発表を取りやめてしまっている。その時点で、新規の公益法人が1つも認定されていない県が3県も存在していたが、その後の推移も分からない。さらに、もっと深刻なことは、内閣府の「公益法人の会計に関する研究会」(以下「会計研究会」という。)は議事要旨すら公開せずに重要な決定を毎年のように行っていて、全国の法人の間に深刻な混乱を惹起(じゃっき)させている。また、会計研究会の議論がどのように公益認定等委員会で受け止められたのかについても明らかにされていない。これでは国会同意人事の認定等委員会の重要な機能を会計研究会が奪うことになりかねず、大いに憂慮している。この点は同じ内閣府の特定非営利活動法人行政とは全く異なっている。例えば「NPO法人会計基準」について内閣府が検討を行った「特定非営利活動法人の会計の明確化に関する研究会」
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