自分で出来る消費税申告―特定収入に係る仕入控除税額の調整計算―
2019年02月14日

山下雄次
(やました・ゆうじ 税理士)
(やました・ゆうじ 税理士)
はじめに
多くの公益法人(以下、一般法人及び公益認定法人をいう。)は、法人税の申告義務がなくても、消費税の申告を行っているケースが多い。消費税には、税務上の公益法人等についての優遇規定がないので、法人税法上の収益事業を行っていなくても、営利法人と同様に消費税の申告義務が課されるためである。一般法人(一般社団法人と一般財団法人をいう。)と公益認定法人(公益社団法人と公益財団法人をいう。)には、特定収入による調整計算が必要とされており、両者に取扱いの差異はない。公益法人の消費税計算を難しくしているのは、特定収入に係る仕入控除税額の調整計算であって、この調整計算をマスターすれば、専門家に依存することなく消費税の計算を内製化することができる。本稿では、基本的な消費税額の計算の流れなどには言及しないで、特定収入に係る仕入控除税額の調整計算に論点を絞って解説したいと思う。Ⅰ 制度の概要
国、地方公共団体、公共・公益法人は、市場経済の法則が成り立たない事業を行っていることが多く、租税、補助金、会費、寄附金等の対価性のない収入を恒常的な財源としている。このような対価性のない収入によって賄われる課税仕入れ等は、最終消費的な性格を持つと考えられるために、仕入控除税額の額から除外されることになる。実務的な着眼点で表すと、「課税売上に対応する課税仕入れのみが控除対象となる」となる。この考え方は、非課税売上に対応する課税仕入れは控除しないとする個別対応方式や一括比例配分方式と同様となっている。図1 においても、支払った課税仕入れ等のうちで、特定収入に対応する部分は控除不可になっている。
Ⅱ 適用要件
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