[3]第2部 改正前民法に基づく公益法人制度 ① 現代の法律に残る民法原案36条〜39条
2019年06月14日
渋谷幸夫
(しぶや・ゆきお 全国公益法人協会特別顧問)
(しぶや・ゆきお 全国公益法人協会特別顧問)
Ⅰ 旧民法の修正作業の概要
わが国の公益法人制度は、改正前民法(2006〔平成18〕年に公益法人制度改革に伴い改正される前の民法)が、1896(明治29)年に制定されたとき(施行は、1898〔明治31〕年)、その中に明文の規定(34条)をもって制度化されたものである。したがって、その時点で明確な公益法人法制が形成されたものと言える。この当時、わが国においては、既に、宗教、教育、慈善等の広範な分野において、多彩な民間の公益活動が展開されていた。
1 旧民法の修正とその経過
1890(明治23)年に公布された旧民法は、人事・財産・財産取得・債権担保・証拠の5編からなっている。法人に関しては、人事編5 条に「法人ハ公私ヲ問ハス法律ノ認可スルニ
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