【景気のゆくえ】堅調なGDP速報をどう読むか

門多 治
(エコノミスト)

 6月10日公表の19年1~3月期GDP(2次速報)は、前期比年率2.2%増と1次速報より小幅上方修正され、比較的高い伸びを維持した。これは足元の景気が良好なことを示しているのか。10月の消費税率引上げは予定通り実施されるのか。その後の景気はどうか。今回は景気全般の行方について材料を整理してみた。
 GDP速報では、輸出の減少幅以上に輸入が減ったことと、住宅投資と公共投資が予想以上に伸びたことが成長率を引き上げた。また設備投資も2次速報ではプラスに転じた。輸入は原粗油などのエネルギー関連だけでなく、一般機械、電子部品などの製品類も減少した。景気の実勢をよく示す輸入控除前の総需要は0.9%減っており、景気の実態が良くなったわけではない。総需要がこれほど減少したのは昨夏の気象要因による攪乱
                           

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