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Ⅰ　40年後日本はどうなる？

2021（令和3 ）年4 月より、高年齢者雇用安定法が改正される。
具体的には、労働者の働く年齢が延びるということである。改正法の詳細を説明する前に、政府の発表している改正法の趣旨とともにこの改正に至った日本の現状と将来を解説する。改正法の内容のみを知りたい方は、Ⅱ項以降からお読みいただきたい。
今般の改正法において、厚生労働省は改正の趣旨をこう述べている。　『少子高齢化が急速に進展し人口が減少する中で、経済社会の活力を維持するため、働く意欲がある高年齢者がその能力を十分に発揮できるよう、高年齢者が活躍できる環境整備を図ることが必要。（後略）』
読者の皆様には、十分ご存じのことが羅列されている文言である。少子高齢化、高齢者の働く意欲……等々、日ごろから聞きなれた言葉ばかりである。ではここで、具体的に、どの程度高齢化が進んでいるのか、40年後の日本はどうなっているのか、それらが及ぼす私たちの生活や私たちの子供や孫への影響はどのようなものかを考えてみよう。
本稿が皆様のお手元に届くのは2021年である。その約40年後の2060年ごろ、日本はどうなっているか、人口の観点から見てみる。
　
【現在の日本の人口】
現在日本の人口（直近のデータ）は2020（令和2 ）年5 月1 日時点（確定値） 1 億2,589万5 千人であると総務省統計局は発表している。このうち重要な数字を紹介する。
上記総人口のうち、
　日本人の人口： 1 億2,340万1 千人
　15〜64歳の人口：7,471万人
　65 歳以上人口：3,607万9 千人である。
ちなみに全人口における65歳以上の人口の割合を「高齢化率」という。現状の高齢化率は約2