公益目的支出計画の“完了後”を見据えた一般法人の在り方
2022年03月07日

管野浅雄
(かんの・あさお 税理士・元内閣府公益認定等委員会事務局)
(かんの・あさお 税理士・元内閣府公益認定等委員会事務局)
- CATEGORY
- 行政庁・支出計画
- 対象法人格
- 一般法人(移行法人)
- 対象部署
- 経理
- 対象職位
- 役員・管理職
目 次
- はじめに
- Ⅰ 公益目的支出計画の完了と純資産との関係
- Ⅱ 移行法人における収益事業
- 1 収益事業の開始
- 2 収益事業に対する課税
- Ⅲ 公益目的支出計画完了後の法人の形態
- 1 非営利性が徹底されている法人
- 2 共益的活動を目的とする法人
- 3 全所得課税型法人
- おわりに
はじめに
一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(以下、「整備法」とする。)に基づき、公益目的支出計画を実施する一般法人(以下、「移行法人」とする。)は、計画が完了するまで、その計画に従って支出を行わなければなりません。支出が完了するまでの間は、公益目的支出計画の履行を確保するため、行政庁が監督官庁になります。公益目的支出計画に基づく支出により公益目的財産額が零となったときは、行政庁に公益目的支出計画の実施が完了したことの確認を求め、確認が得られた場合は、一般法人への移行が完了します。これ以降は、行政庁の監督もなくなり、自由な活動が可能となります(整備法123条、124条)。
ところで、移行法人の数は、平成26年で10,643法人であったのが、令和2年12月1日時点では、7,110法人まで減少しています(令和3年12月内閣府「令和2年公益法人の概況及び公益認定等委員会の活動報告」)。移行法人の中には、公益目的支出計画が終わってしまったら、収入がなくなってしまうのではないか、法人がなくなってしまうのではないかと不安に感じている方もいるかも知れません。
そこで、今回、移行法人が公益目的支出計画の完了を迎えるに当たり、どのように対応すべきか、公益目的支出計画の完了後を見据えた移行法人のあり方を検討したいと思います。
Ⅰ 公益目的支出計画の完了と純資産との関係
公益目的支出計画を完了させるということは、法人の純資産(正味財産)である公益目的財産額を全額公益目的に関する事業に使用することになるので、法人を解散せざるを得なくなるのではないか、そのように考える方がい月刊公益オンラインとは
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