其之七 特定資産受取利息

古市雄一朗
(大原大学院大学教授)

収益認識のタイミング

 簿記・会計の理解のきっかけを難しくしている原因の 1 つに一般的にはあまり用いられることがない簿記・会計、固有の思考の存在が挙げられる。例えば、今回取り上げたような現金の受取のタイミングと収益認識のタイミングがずれている場合の調整計算、いわゆる見越しや繰延べといった考え方もその 1 つであろう。
 上記の設例においては、法人は10,000の定期預金に対する利息を半年ごと 6 月末と12月末に受け取ることになっている。1 月 1 日に保有を開始しているので最初の利息は、半年後の 6 月30日に受け取る50となるはずであ(10,000 × 1 % × 6 / 12か月)。しかしながら、 3 か月後の3 月末に決算が行われる。そのために実際に利息を
                           

この記事は有料会員限定です。

Copy Protected by Tech Tips's CopyProtect Wordpress Blogs.