公益・一般法人の運営上の留意点 第1回
公益認定の取消しと財産処理の手続
2023年07月14日

大野憲太郎
(おおの・けんたろう 弁護士)
(おおの・けんたろう 弁護士)
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目 次
Ⅰ はじめに
公益認定を受けるには、認定法 5 条に定める公益認定の基準を満たす必要があり、公益認定の基準に適合しなくなれば、公益認定を取り消される可能性がある(認定法29条 2 項 1 号)(注 1 )。では、公益認定が取り消されるリスクはどの程度避けるべきなのだろうか。また、公益法人は、一般法人と異なり、内閣府又は都道府県知事の監督を受け、定期提出書類の提出や(認定法22条 1 項)、約 3 年に 1 度実施される立入検査などの負担もあることから(注 2 )、公益認定の返上を検討したい公益法人もあるかもしれない。
これらの検討にあたっては、公益認定が取り消されたらどうなるか、自主返上するとどうなるかについての理解が不可欠である。
以下では、公益認定の自主返上を例に、公益認定が取り消されたらどうなるかについて解説する。
Ⅱ 公益認定の自主返上
【事例】公益財団法人Aは、10年前に公益認定を受けたが、近年寄附も減少していたことに加え、今般担当者が退職したことを受け、公益認定を返上し、事務作業の軽減を図るとともに、事業内容の転換も検討したいと考えている。公益認定の返上は可能か。可能な場合、どのような負担があるか。公益法人が自主的に公益認定の取消しを申請することは可能である(認定法29条 1 項 4号)。
ただし、公益認定が取り消されると、公益認定の取消しの日から 1 か月以内に、公益目的取得財産残額に相当する額の財産を、定款の定めに従って、類似の事業を目的とする他の公益法人や国、地方公共団体等に贈与する必要がある(認定法 5 条17号、30条 1 項参照)。また、公益認定が取り消された旨公示される(認定法29条 4
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