公立病院改革の今後の行方は?
―持続可能性を踏まえて―

森 美智代
(もり・みちよ 熊本県立大学名誉教授・(公社)非営利法人研究学会常任理事)  我が国の公立病院改革は、総務省が2007年「公立病院改革ガイドライン」を公表したことに始まり、その改革は、2015年「公立病院改革ガイドライン」に引き継がれ、この 2 つのガイドラインによって、各自治体は、財政健全化法を基盤として、病院事業の累積赤字の解消に向けた経営改革に取り組むこととなった。この改革は、経営の効率化、経営形態の見直し、再編・ネットワーク化を打ち出し、2015年には地域医療構想が加えられ、数値目標を設定した累積赤字の解消に向かっている。しかし経営の効率化のための病院及び病床数の削減政策は、2020年頃から新型コロナ禍に遭遇することになり、これまでの政策が裏目となった。コロナ感染者の受入れで
                           

この記事は有料会員限定です。

Copy Protected by Tech Tips's CopyProtect Wordpress Blogs.