「みなし公務員」と法人の職務倫理
─受託収賄事件から学ぶ職務上の罪と罰─
2024年04月14日
出口 正之
(でぐち・まさゆき 国立民族学博物館名誉教授・本誌編集委員長)
(でぐち・まさゆき 国立民族学博物館名誉教授・本誌編集委員長)
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目 次
Ⅰ はじめに
(公財)東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(以下、組織委員会という。)の理事(当時)が、およそ1億9,800万円の賄賂を受けとったとして受託収賄の罪に問われた事件は、当該理事が「みなし公務員」であったか否かが大きな焦点として報道された。また、理事の中には「みなし公務員」であることについて十分な知識と認識がなかったとういう報道もなされた。本誌読者の中にも「みなし公務員」でありながら「みなし公務員」であることを自覚していなかったり、その意味を十分に理解していなかったりする方も少なくないであろう。
実は公務員並みではないものの、法人法にも不正な請託を受けた収賄は公益・一般法人の役員等に重
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