法社会学の観点からみた公益法人制度改革

久保秀雄
(くぼ・ひでお 京都産業大学教授)  私は研究者として、法社会学という分野を専門にしている。さほど知られている分野ではないが、法学と社会学が組み合わさった分野となる。法学と社会学の双方の観点から、例えば「どのような法制度があれば、社会が発展するのか」といったことを明らかにする研究に取り組んでいる。その研究成果として、「社会の発展は人々の活動の自由を保障する法制度によってもたらされる傾向がある」と指摘できる。とりわけ、自己利益を追求する自由より、独自のやり方で社会に貢献する自由を認めることが、社会を活気づけ発展をもたらすと指摘できる。
 つまり、社会が活力に溢れてより良くなるためには、文化芸術に教育、経済や政治といった社会の様々な領域で、出自などに囚われず多様な人々が自由に参入し、
                           

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