横領・着服をしてしまう担当者の特徴
ー未然防止のための犯罪心理学ー

桐生正幸
(きりう・まさゆき 東洋大学教授)

 

Ⅰ はじめに

 本稿では、自己の占有する他人の物を不法に領得する「横領」について、犯罪心理学の視点から、その発生を予防するための検討を行った。犯罪心理学とは、「司法手続が直面する問題に、心理的知識や方法を適応する学問」である。
 この犯罪心理学の視点から、犯罪事象を検討する際に2つの基本的な考え方となる「ルーチン・アクティビティ理論」と「合理的選択理論」による、一般的な犯罪予防の方法を示した。そして、先行研究にて明らかとなっている言い訳のパターンや現代のモラル意識、また不正行為時における嘘の種類と嘘のうまい人の特徴を紹介した。
 最後に、実務レベルにて有益とされているクレッシーの「不正のトライアングル」モデルと、前述し
                           

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