福祉サービス第三者評価事業の現状と課題

吉田初恵
(よしだ・はつえ 天理大学教授 (公社)非営利法人研究学会常任理事)   社会福祉基礎構造改革により、福祉サービス提供の仕組みがこれまでの措置制度から、福祉サービス利用者(以降、利用者とする)が福祉サービス提供事業者(以降、事業者とする)を選択し、利用者と事業者が対等な関係で契約を結ぶ利用契約制度に移行した。この改革によって、利用者がより良い事業者を適切に選択することで競争原理が機能し、福祉サービスの質が向上すると期待されていた。しかしながら、福祉サービスの専門性を利用者自身が評価しにくい(情報の非対称性)、福祉制度が理解しづらい、また、利用者自ら情報収集することが困難な場合が多く、行政からの基本的な情報や事業者のパンフレット、ロコミなどによる情報収集にとどまっていることが多いため、利用者にとっ
                           

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