其之二十二 小口現金

古市雄一朗
(ふるいち・ゆういちろう 大原大学院大学教授)
 

定額資金前渡法による補給

 多くの組織では費用の支払を行うときには、組織内のしかるべき責任者の承認を経て担当する会計担当者が支払を行うことが一般的である。しかしながら、現金管理を迅速に行うために少額の支払については小口現金係(名称や担当者は各組織によりまちまちであろう)がそれを行う場合がある。多くの場合、あらかじめ定めておいた一定の用途、金額について、小口現金係に実際の支払を行ってもらうために事前に必要とされる現金を渡して支払の権限を与え、報告を受けて支払が行われた分について補給が行われることになる。
 このように一定期間の最初に定額の資金を前渡し、期間の終了後(例えば 1 か月や 1 週間)に支払の報告に応じて同額を補給する方法を定額資金前渡法(インプ

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