努力義務化となった「治療と就業の両立支援」
―制度設計の「第一歩」―
2026年01月31日
白井有紀
(しらい・ゆき 中小企業診断士・保健師・看護師)
(しらい・ゆき 中小企業診断士・保健師・看護師)
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目 次
Ⅰ はじめに
2026年4月1日から、すべての法人に「治療と就業の両立支援」の努力義務が課されます。現状、がんと診断された方の4 割以上が治療開始前に退職しており、その主な理由は「職場に迷惑をかける」といった漠然とした不安です。しかし、医療の進歩でがんの5年生存率は6割以上に高まり、治療と就業の両立は社会的な課題です。この両立問題はがんに限りません。メンタル疾患などで誰もが長期治療を要する可能性があります。特に職員の長期療養が経営に直結しやすい小規模法人こそ、いざというときに慌てず対応できるよう、平時からの制度設計やサポート体制といった備えが不可欠です。
本稿では、小規模法人が明日から実践できる「第一歩」を紹介します。職員と組織が支え合う職場作りに向けて、今すぐ具体的な一歩を踏み出しましょう。
Ⅱ 法改正のポイント
1 なぜ今、治療と就業の両立支援か
「令和7 年の労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(労働施策総合推進法)等の一部改正」により、事業主には「治療と就業の両立を推進する努力義務」が課されることになりました。「努力義務」とは、罰則は伴わないものの、法人に対し一定の対応を強く求める位置付けであり、今後の社会的評価や人材確保にも直結する課題です。医療技術の進歩や治療成績の向上により、かつては「不治の病」とされていた疾病においても生存率が向上し、「長く付き合う病気」に変化しています。しかし、疾病を抱える労働者の中には、「仕事が忙しいから」等の理由で、治療を自己判断で中断してしまったり、病気休職制度を利用せずに離職してしまったりすることが散見されます。これらの事象は、
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