定款から読み解く!新任役員のための年間スケジュール
―番外編:決議・報告の省略、役員等の選任、公告―
2026年06月30日
石川広紀
(いしかわ・ひろき 税理士)
Summary 今回、新任役員に向けた年間スケジュール解説のオンライン補足として、誌面で取り上げきれなかった実務上重要な手続をQ&A形式で整理する。理事会における決議の省略・報告の省略について、定款上の根拠、監事の異議の有無、議事録の法定記載事項、書面等の備置きの取扱いを確認する。併せて、理事・監事・評議員の選任方法、監事選任議案に必要となる監事の同意、代表理事・業務執行理事の選定手続を、定款例と法人法の規定を対照しながら解説する。さらに、貸借対照表等の公告について、公告方法の種類、公告期間、定款での定め方を整理する。 (いしかわ・ひろき 税理士)
Ⅰ 決議の省略と報告の省略
Q1 理事会における「決議の省略」と「報告の省略」について教えてください。A1 理事会を実際に開催せずに、書面等による意思表示で決議があったものとみなすことを「決議の省略」、個別に報告することで報告があったものとみなすことを「報告の省略」といいます。これらの方法を採る場合には、一定の要件を充たす必要があります。 ⑴ 理事会の決議の省略 理事会の決議の省略は、理事が理事会の目的である事項について提案をした場合に、その提案につき理事(その事項について議決に加わることができる者)の全員が書面(電磁的記録)により同意の意思表示をしたときは、その提案を可決する旨の理事会の決議があったものとみなされます。なお、理事会の決議の省略は、次の要件を充たす必要があります(法人法96条)。 ・理事会の決議の省略について定款の定めがあること。 ・監事が異議を述べないこと。 また、理事会の決議があったものとみなされた日から10年間、同意の意思表示をした書面(電磁的記録)を主たる事務所に備え置かなければなりません(法人法97条1項)。
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