芸術文化助成の考え方
―アーツカウンシル制度とは―

石田麻子
(いしだ・あさこ 昭和音楽大学教授・学長補佐)
 (独)日本芸術文化振興会プログラムディレクター、東京藝術大学大学院オペラ専攻非常勤講師、文化庁委託『日本のオペラ年鑑』編纂委員長、科学技術・学術審議会学術分科会専門委員、文化審議会文化経済部会委員などを務めている。単著に『芸術文化助成の考え方:アーツカウンシルの戦略的投資』(美学出版、2021)などがある。東京藝術大学博士課程修了、学術博士。  日本の劇場やオーケストラ等、大規模な芸術組織の多くは公益法人だ。しかし、特有の収支構造を理由に、公益法人制度下での組織経営は大きな課題を抱えた状況にある。筆者は芸術系大学で舞台芸術政策を講じると同時に、アーツカウンシル機能を持つ(独)日本芸術文化振興会基金部(以下、振興会)にも勤務し、芸術組織と日々向き合っている。芸術評議会と訳されるアーツカウン

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