Excel活用法 第9回 件数が増えた場合の範囲の自動調整
宛先だけ変わるような文書の効率的な作成方法
第9回「件数が増えた場合の範囲の自動調整」
1 概要
今回は、件数が増えた場合の範囲の自動調整の方法を紹介させていただきます。
前回同様、第3回のデータを参考に説明いたしますが、例えば次の表ではナンバー10までありますが、ナンバー11以降に追加したいということはよくあるかと思います。
しかし、通常のvlookup関数での範囲の指定方法では、数式を修正しないとナンバー11以降は範囲から外れてしまい、vlookup関数が入ったセルや追加の頻度が多いと非常に非効率な状態となってしまいます。
これを簡単かつ瞬時に解決する方法を紹介いたします。
2 作成手順
① 上記表の中のどこか(どこでも良い)のセルを選択した状態で、メニューの[挿入]→[テーブル]をクリックします。
② ダイアログボックスが表示されますので、そのまま[OK]ボタンを押します。
すると次のような状態になります。
③ セルD11を選択した状態で[Tab]キーを押す、またはセルD11の右下にカーソルをもっていくと斜めの矢印が出ますのでそれをドラッグし、下までもっていくかのどちらかの方法で行を追加することができます。
④ ここでは矢印をドラッグする方法で5行追加します。
⑤ セルA12~A16まで連番を入れますが、次の方法が簡単です。
セルA10・A11(ナンバー9・10)をドラッグし、右下にカーソルをもっていくと十字が出ますのでそれをドラッグし、セルA16の位置まで引っ張ります。すると次のようになります。
⑥ ナンバー11に例えば次のように入力します。
⑦ すると会費通知書の[スピンボタン]で“11”としてもきちんと“☆☆建設株式会社”が表示されます。
これで完成です。
この“テーブル”機能を使うことで範囲がグループ化され、上記のように範囲が自動調整されることに加え、行を追加した際、列D(会費)の数式も自動で付与されます。
便利ですのでぜひご活用ください。
なお“ピボットテーブル”という機能もありますが、こちらは若干複雑な部分がありますので今回は省略いたします。
3 別な方法
もう一つの簡単な方法をご紹介いたします。
同じく第3回のデータを参考に説明させていただきます。
これまではvlookup関数の範囲として次のように入力していました。
これを次のように修正します。
これで範囲を行ごと指定することになり、[Sheet1]の件数が増えても全ての行が範囲となっていますので、ナンバー11以降についても対応されます。
次回は最終回として、リスト選択の応用を紹介させていただきます。
4 日々のExcel作業で使える小技集
その10)見出しを全ページに自動表示する方法
おそらくこの方法の知名度は高いとは思いますが、知らない場合はとても大事な方法になりますので、ご紹介いたします。
例えば次の表でナンバー300まであった場合、通常は2ページ目以降の見出しは表示されません。これを自動で表示するという方法です。
↓印刷プレビュー
メニューの[ページ設定]→[印刷のタイトル]→[タイトル行]のところで行1を選択します。すると“$1:$1”と入力されますので[OK]ボタンを押します。
すると2ページ目以降も次のように見出しが自動で表示されるようになります。
↓印刷プレビュー
ご覧いただき大変ありがとうございました。
(一般社団法人岩手県建設業協会/金田一)
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