【解説】遊休財産額の保有制限の判定と別表C⑵・⑶の作成

今回は公益法人が事業年度終了後に作成し、行政庁に提出する定期提出書類のうち別表C ⑵ 、⑶ について、順を追って詳細に解説する――。

大貫 一
(おおぬき・はじめ 金沢星稜大学教授・公認会計士)
  • CATEGORY
    • 公益認定基準、別表C⑵・⑶
  •  対 象 
    • 公益法人
目  次
  • はじめに
  • Ⅰ 遊休財産額の保有制限の判定
  •  1  遊休財産額保有制限の意義
  •  2  遊休財産額の計算(期末ストック計算)
  •  3  遊休財産額の保有上限額(=公益目的事業の実施に要した費用の額に準ずる額)の計算(期間フロー計算)
  •  4  遊休財産額保有上限額と遊休財産額との比較及び「超過」の有無の判定
  • Ⅱ  別表C⑵及び別表C⑶の作成と別表C⑴の計算
  •  1  別表C⑶「公益目的保有財産配賦計算表」の作成
  •  2  別表C⑵「控除対象財産」(一覧表)の作成
  •  3  別表C⑴「遊休財産額の保有制限の判定」の計算
  • おわりに

はじめに

 公益法人は、事業年度が終わると、会計上の決算書と共に一連の別表を作成して、行政庁に提出する必要があります。この別表の多くは財務三基準の判定に関わるものです。
 財務三基準は、収支相償、公益目的事業比率、遊休財産額保有制限からなり、別表A、別表B、別表Cと呼ばれる一連の計算書は、公益法人が、その事業年度に各基準を満たしているか、その可否を判定することを主な目的として作成するものです。
 本誌2016年5 月15日号の拙稿では、収支相償の計算と別表A⑶の作成について解説しましたが、今回

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