法人税申告書作成における留意点と会計ソフト設定の見直し―平成29年度版―

坂井欣典
(さかい・よしのり 税理士)

はじめに

1 公益法人と一般法人(非営利型・全所得課税型)の法人税課税

社団法人・財団法人については、次頁の表1のとおり法人税が課税される。法人税の課税対象となる法人は、原則としてその事業年度終了後2か月以内に法人税の確定申告書を作成し、提出しなければならない。
本稿では表1の公益社団法人・公益財団法人と、非営利型の一般社団法人・一般財団法人(以下、「公益法人等」とする。)を対象とする。
なお、法人税の申告を必要としない公益法人等についても、年間の収益が8,000万円を超える場合には、正味財産増減計算書の提出が義務付けられている。
 
表1 公益法人・一般法人の法人税の取扱い
※ 非営利型とは、①非営利性が徹底された法人、②共益的活動を目的とする法人をいう。

2 2つの決算報告書を作る

⑴ 公益法人会計基準による決算報告書公益法人等は、事業年度のまとめとして、公益法人会計基準による決算報告書を作成する。そのうち、公益社団法人・公益財団法人と、公益目的支出計画を実施中の一般社団法人・一般財団法人はその決算報告書を行政庁に提出しなければならない。
 
⑵ 法人税法上の決算報告書公益法人等のうち法人税の申告が必要な法人については、収益事業から生じた所得に対する法人税の計算をする為に、⑴の決算報告書を法人税法上の「収益事業」と法人税法上の収益事業以外の「非収益事業」に区分する必要がある。特に非営利型の一般社団法人・一般財団法人は、各会計に法人税法上の収益事業が存在する場合には、区分け作業が煩雑になる。
 
⑶ 会計ソフトを活用した決算報告書の作成実務上は、⑴の公益法人会計基準による決算報告書を作成していく過程で⑵の法人税法上の決算報告書を

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