Vol.8 代表理事等による理事会への定期報告

内閣府公益認定等委員会 事務局だよりPLUS+

※ これまでの内閣府メールマガジンの内容を再構築したものとなります。

 

はじめに
 公益法人の代表理事及び代表理事以外の理事であって理事会の決議により法人の業務を執行する理事として選定されたもの(以下、総称して「業務執行理事」という。) は、自己の職務執行の状況について、理事会へ定期的に報告しなければならないとされています(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律 (平成18年法律第48号。以下「一般法人法」という。) 第91条第2項)。今回は、この業務執行理事による自己の職務執行の状況に関する理事会への定期的な報告(以下「定期報告」という。)について確認したいと思います。

 

定期報告について
 理事会は、全ての理事で組織し(一般法人法第90条第1項)、理事の職務の執行を監督する権限を有しています(一般法人法第90条第2項第2号)。この監督権限の適正を図るため、一般法人法第91条第2項は、業務執行理事に対し定期報告を義務付けています。
 理事の理事会への報告については、理事及び監事の全員に対して理事会に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を理事会へ報告することを要しないとされており(一般法人法第98条第1項)、理事会の運営の簡素化・効率化を図るため、通知という省略した方法によることが許容されています。しかしながら、定期報告については、通知によって省略することが許容されていません(一般法人法第98条第 2項)。
 一般法人法が定期報告について通知による省略を許容しなかった趣旨は、会社法に倣い、実際に定期報告を行わせることによって理事会の監督機能の実効性を担保しようとした点に加えて、定期報告の名の下に3か月に1回以上(定款に定めている場合には、毎事業年度に4か月を超える間隔で2回以上)は理事会を開催することを確保しようとした点にあると考えられます。

 

おわりに
 定期報告以外の報告は、通知による報告(一般法人法第98条第1項)によることが可能ですが、その場合は、当該報告の内容について質問や議論をすることができないため、理事会において議論をすることが必要であると考えられる事項については、実際の理事会の場で報告することがより充実した法人運営に資するものと考えられます。


文責●内閣府公益認定等委員会事務局

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