公益認定法改正の真意
─「新しい資本主義の政策」の一環として─
2024年02月14日

出口正之
(でぐち・まさゆき 国立民族学博物館名誉教授・本誌編集委員長)
(でぐち・まさゆき 国立民族学博物館名誉教授・本誌編集委員長)
- CATEGORY
- 法改正
- 対象法人格
- 公益法人
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- 管理職・職員
目 次
Ⅰ はじめに
令和 4 年10月から始まった「新しい時代の公益法人制度の在り方に関する有識者会議」において、計11回にわたり議論が重ねられ、令和 5 年 4 月に具体的方針を示す最終報告がなされた。その後、制度改革に向けた進捗状況の確認のため、フォローアップ会合が異例の形で開催された。会合内では、現在検討中の公益法人制度・公益信託制度改革の全体像や意義、今後のスケジュールや法案の検討状況等について報告等が行われ、さらには12月13日には内閣府主催の「対話フォーラム」が開催され、北川修内閣府公益認定等委員会事務局長が自ら基調報告を行った。
本稿では、今回の改革の目的を歴史的背景を踏まえて明確にしつつ、大きな特徴となる財務基準の見直し等の改正ポイントを解説していきたい。
Ⅱ 改革の目的の明確化
1 これまでの改革
2006年の公益法人の抜本改革(以下「前回の改革」という)は、「公益の増進」が立法趣旨であったものの、一部公益法人の不祥事が大々的に取り沙汰されたこともあいまって、立法趣旨は必ずしも十分に浸透していなかった。さらに行政補完型の天下り法人に対する行政改革の延長線上にあったために、法案の担当部局が行政改革本部であったことも、改革の趣旨を誤解させるに十分なものであった。また、法律の法文自体が非常に厳しいものとなっていたものを、内閣府令によって「特定費用準備資金」、「資産取得資金」などの重要概念を作り、さらにガイドラインによって柔軟化を図っていたが、その複雑な構造自体が官民双方に誤解を生じさせていた。その上、「公益法人の会計に関する研究会」(以下「会計研究会」という)に幾度となく、法令解釈を含む弥縫びほう策を委
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