Vol. 17 令和7 年度税制改正大綱の決定について

内閣府公益認定等委員会 事務局だよりPLUS+

 令和6年12月27日に、令和7年度税制改正の大綱が閣議決定されました。令和6 年5 月に成立した公益信託法に関する内容や公益法人に関連する内容が盛り込まれています。
 ここではそれらのポイントをご紹介します。

 

■ 公益信託制度に関する税制措置

 公益信託については、委託者が受託者に公益目的のために財産を託し、受託者が公益活動を行う信託制度です。
 この公益信託制度をより使いやすい制度とするため、昨年新しい公益信託法が成立し、以下のとおり制度が見直されました。

・ 主務官庁制度の廃止(統一の行政庁による認可・監督へ)
・ 認可基準を満たせば、信託会社以外も受託者となることが可能
・ 有価証券や不動産等も信託財産とすることが可能
・ 公益信託認可と税制優遇が連動

 新しい公益信託制度の創設に伴い、令和6 年度税制改正において新制度に向けた措置が講じられることとなり、令和7 年度においても引き続き以下のとおり措置が講じられることとなっています。

○ みなし譲渡等所得課税の非課税措置について、申請書の提出があった日から1月以内に国税庁長官の承認をしないことの決定がなかった場合にその承認があったものとみなす承認特例の対象に公益信託を加える【所得税】
○ みなし譲渡等所得課税の非課税措置について、贈与等に係る財産を公益目的事業の用に直接供した日から2 年以内に買い換える場合であっても、当該財産が基金に組み入れる方法により管理されている等の要件を満たすときは、一定の要件の下で非課税措置の継続適用を受けることができることとする【所得税】
○ 一般社団・財団法人のうち、非営利型法人について、残余財産の帰属先に公益信託の信託財産を追加する【法人税】
○ 非課税承認の取消しにより公益信託の受託者に対して所得税を課税する場合には、当該取消しにより生じた信託財産に係る所得等とは区別して課税する【所得税】

 

■ 公益法人に関連する税制措置

 また、公益法人に関連する税制として、下記の措置を講じることとするとされています。

○ 公益法人等が実施する、経済的理由により修学困難な学生等に対する無利子の貸与型奨学金等の貸付事業のうち、文部科学省の確認を受けたものについて、借用証書等に係る印紙税非課税措置の適用期限を3 年延長する(令和10年3月31日まで)。

 

■ 公益信託制度改革について

 令和7 年夏頃までを目途に施行への準備を進めてまいります。検討状況については「公益法人Information」にて公表します。
https://www.koeki-info.go.jp/index.html

 

※大綱の全文は、以下をご覧ください。
https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2025/07taikou_mokuji.htm

 


文責●内閣府大臣官房公益法人行政担当室

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