サステナブルな社会へ
―会計士協会の役割―
(かんだ・ひろゆき 公認会計士/日本公認会計士協会常務理事)
日本公認会計士協会では、「信頼を創り、次世代が輝く社会へ」というビジョンを掲げています。これは、公認会計士が社会の信頼の基盤を築き、その上に若い世代が夢と誇りを持って活躍できる未来を創るという思いを込めたものであり、このビジョン実現のため、5つの重点施策を設定しています。
1つ目が監査の信頼性・魅力の向上です。監査は、監査を受ける法人の価値向上や社会全体としての信頼性確保にも貢献できるものと考えており、関係する公認会計士等が十分な検討を行える環境を整えるため、制度改革や監査時間の確保を進めています。2つ目が社会課題解決への貢献です。社会課題解決のための新たなニーズとしてサステナビリティ情報の開示と保証の制度化があります。非営利法人においても情報開示が進んでいくものと思われますが、社会的な情報ニーズに対応できるよう、制度設計・能力開発・品質確保に取り組んでまいります。3つ目が優秀かつ多様な人材確保と育成です。公認会計士の活躍の場が広がる中で、優秀な人材の確保、環境変化に対応できる能力の継続的な向上が不可欠であり、弊会では、研修プログラムの充実(継続的専門能力開発)に取り組んでいます。4つ目が社会における会計リテラシーの向上への取組です。会計教育を推進することで、誰もが会計データを読めるようになることは、生きる力を持つことにもつながります。5つ目が持続可能な基盤の確立です。弊会が質の高いサービスを継続して提供するためには、組織基盤を強固なものにする必要があり、自らの体制の検討を継続して実施しています。非営利組織としての特性を踏まえ、効率的かつ効果的な運営を実現するための体制整備を目指しています。
この5つの重点施策は、非営利分野では、非営利法人委員会のもとに「公益法人」「学校法人」「医療法人」「社会福祉法人」「非営利監査保証」「非営利組織会計研究」の6つの専門委員会を設置し実行しています。特に近年は、非営利組織モデル会計基準を検討・公表し、非営利組織向けの財務情報の透明性と比較可能性の向上に取り組んでいます。
また、2025年には、公共サービス提供組織におけるガバナンスの在り方に関する報告書を公表しました。会計基準は、非営利組織のガバナンスを支える重要な基盤の一つであり、弊会では、会計基準の前提となるガバナンスについても会計基準と一体的な研究を始めています。非営利組織への監査業務の提供だけでなく、非営利組織の活動が社会により広く理解され、社会支援の拡大につながるよう、会計専門家として必要な活動を継続して行っていきたいと考えています。
中央省庁、地方公共団体、独立行政法人、非営利法人等を対象とした監査・保証業務を専門とする。元内閣府「公益法人の会計に関する研究会」参与、日本公認会計士協会公会計委員会副委員長、同非営利法人委員会委員長、同非営利組織会計検討会委員、同公共サービスを提供する組織におけるガバナンスの在り方検討プロジェクトチーム構成員等を歴任。
月刊公益オンラインとは
財団法人・社団法人に特化した支援プログラム"シェアコモン200"の利用法人様向け実務専門誌『月刊公益』の記事を中心に、公益・一般法人に関するニュースや専門家による解説などをお届けする情報配信プラットフォームです。
詳しくはこちら
無料登録のご案内
「月刊公益オンライン」に無料登録すると、登録の方限定の記事をご覧いただけるなど、実務に役立つさまざまな特典をご用意しております。
限定記事や
実務カレンダーが読めます!
「月刊公益オンライン」の無料登録の方限定記事や各月の事務局の作業内容がつかめる「実務カレンダー」をご覧いただけます。
最新の法改正に関する
セミナーなどの情報を受け取れます!
公益認定法改正など、最新の法改正とその対応に関するセミナーをはじめ、公益・一般法人の運営に必要な知識を深めることができる講習会の情報をお受け取りいただけます。
よくあるご相談内容をピックアップして
メールにてお届けいたします!
よくあるご相談内容に弁護士や税理士などの専門家が回答するQ&A集を、メールにてお受け取りいただけます。日々の業務のお困りごとや疑問解決にお役立てください。
公益法人・一般法人に特化した専門書籍を
10%オフで購入できます!
月刊公益オンラインを運営する公益法人協会では、社団・財団法人のための出版物を多数発行しております。無料登録いただいた方は、通常価格から10%割引でご購入いただけます。
