実務における収益事業の判定ポイント
―令和6年度公益法人制度が区分経理や収益事業課税に与える影響と対応策―

清水謙一
(しみず・けんいち 税理士・中小企業診断士・CFP®)
  Summary 第1回目の新任担当者のための「収益事業課税」入門では、収益事業課税の基本的な考え方や区分経理等の全体的な内容について確認した。第2回目の今回は、国税庁の質疑応答事例を参考に、実際の実務における具体的な課税リスクについて考察し、収益事業の判定ポイントや税務調査において指摘を受けやすい論点や対応のポイントなどについて解説していく。また、令和6年度公益法人制度が事業区分や収益事業課税に与える影響と対応策についても解説していく。  

Ⅰ はじめに

 第1回目(『月刊公益』No.1134掲載)の「収益事業課税」入門では、収益事業課税の基本的な考え方や区分経理、収益・費用の配賦の仕組みを確認しました。
 第2回目の今回は、国税庁の質疑応答事例をもとに、実務における収益事業の判定ポイントと、令和6年度公益法人制度が事業区分や収益事業課税に与える影響・対応策を解説します。
 その前提として、公益社団法人・公益財団法人では、まず対象事業が公益目的事業に該当するかを確認します。該当する場合、その事業から生じた所得は法人税の課税対象となりません。したがって、以下の収益事業の判定は、公益目的事業に該当しない場合を前提とします。 

Ⅱ 最新事例にみる課税リスク

 国税庁の質疑応答事例で、「公益法人等が、動画配信サービスを行うプラットフォーマーに動画コンテンツを提供し、収入を得る場合の課税関係」が公表されています。
 近年のデジタル化に伴い、公益法人等がYouTubeなどのプラットフォームから得る収益をどう扱うべきかを明確にした重要な指針です。
 結論からいうと、この収益は、無体財産権の提供を行う事業にあたるため、収益事業に該当して

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