候補者選びから理事選任までの安全ガイド

三木秀夫
(みき・ひでお 弁護士)
 
理事の候補者を決めるに当たり、選び方に失敗すれば、法人の痛手になってしまうことも―。事務局として最低限頭に入れておくべき事項を解説する。

後悔しないための安全ガイド

一般社団・財団法人、公益社団・財団法人のいずれを問わず、法人として社会的活動を営んでいくためには、法人の意思を決定し、内部事務を処理し、外部に向かって行動する機関が必要である。このため、一般社団・財団法人法(以下、「法」という。)は、そのための機関として理事を位置づけ、理事会設置一般社団法人・一般財団法人にあっては「3人以上」置くことが求められている(法65条3項、177条)(注1)。
理事の選任は、一般社団法人においては社員総会の決議により(法63条1項)、一般財団法人については評議員会の決議でなされる(法177条、63条1項)(注2)。
 
この場合、誰を理事として選任するかについては、通常は事前にその候補者を絞って社員総会・評議員会に諮ることが多いが、どのような基準で、どのようなことに注意して候補者を考えていくべきか悩む場合があろう。
特段の注意を払わずに理事として選任した後、思わぬことでトラブルが発生して混乱が生じ、場合によっては法人としての危機に直面することもあり得る。本稿は、そういった観点からまとめた、後悔しないための新理事選任安全ガイドである。

Ⅰ 理想的な理事とは

一般法人法には、理事として望ましい資格(積極的資格)については、特別の定めはない。ただし、理事会で決議すべき事項には、業務執行の決定や理事の職務執行の監督(法90条2項、197条)がある。したがって、法人の活動や業務分野にある程度の能力や知見、経験などがあることが、より望ましいとも言えるであろうが、それが無くて

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