別表Hにおける「公益目的取得財産残額」の事例別計算と検算の方法
2020年01月14日
居関剛一
(いせき・こういち 公認会計士)
(いせき・こういち 公認会計士)
必要な数値を入力していけば自動的に算出され、完成していく別表H。しかしその数値は本当に正しいのだろうか。本稿では検算の方法について解説する。
はじめに
公益社団・財団法人の実務担当者から「別表Hが分からない」という話をよく聞く。別表Hは、電子申請書を作成する上では、必要な数値を入力していけば法令に則して自動的に公益目的取得財産残額が算出できるようになっている。しかし、この別表Hの計算の仕組みが難解であるため、自動的に算出した数値が正しいのかどうか判断できず、多くの方が悩んでいるのではないだろうか。
そこで、本稿のⅠで概要を解説し、Ⅱのケーススタディで具体的な事例別計算を行って別表Hの計算の仕組みや考え方を解説する。そして本稿のⅢでは誤りやすい論点や迷いやすい論点を挙げ、最後にⅣの検算の方法といった順で解説していくこととする。内閣府から公表されている「定期提出書類の手引き(公益法人編)」(以下、「手引き」という。)も参照しながら、是非この難解な別表Hを理解していただきたい。
Ⅰ 概要
1 公益目的取得財産残額の定義
公益目的取得財産残額とは、公益目的事業財産の未使用額であり、公益認定が取り消された場合に他の公益法人等に贈与すべき額である。公益目的事業財産の未使用額は、当該公益法人が取得したすべての公益目的事業財産から公益目的事業のために費消・譲渡した財産を除くことを基本として算定するものと定められている(以下公益認定法第30条2 項参照)。
【公益認定法第30条2 項】
① 取得したすべての公益目的事業財産(公益認定前に取得した不可欠特定財産を除く。)② 公益認定を受けた日以後に公益目的事業を行うために費消し、又は
月刊公益オンラインとは
財団法人・社団法人に特化した支援プログラム"シェアコモン200"の利用法人様向け実務専門誌『月刊公益』の記事を中心に、公益・一般法人に関するニュースや専門家による解説などをお届けする情報配信プラットフォームです。
詳しくはこちら
無料登録のご案内
「月刊公益オンライン」に無料登録すると、登録の方限定の記事をご覧いただけるなど、実務に役立つさまざまな特典をご用意しております。
限定記事や
実務カレンダーが読めます!
「月刊公益オンライン」の無料登録の方限定記事や各月の事務局の作業内容がつかめる「実務カレンダー」をご覧いただけます。
最新の法改正に関する
セミナーなどの情報を受け取れます!
公益認定法改正など、最新の法改正とその対応に関するセミナーをはじめ、公益・一般法人の運営に必要な知識を深めることができる講習会の情報をお受け取りいただけます。
よくあるご相談内容をピックアップして
メールにてお届けいたします!
よくあるご相談内容に弁護士や税理士などの専門家が回答するQ&A集を、メールにてお受け取りいただけます。日々の業務のお困りごとや疑問解決にお役立てください。
公益法人・一般法人に特化した専門書籍を
10%オフで購入できます!
月刊公益オンラインを運営する公益法人協会では、社団・財団法人のための出版物を多数発行しております。無料登録いただいた方は、通常価格から10%割引でご購入いただけます。
