『寄付白書』から読み解く寄付の変遷と非営利法人における財源調達のあり方
2018年06月12日

上松公雄
(うえまつ・きみお 税理士・全国公益法人協会首席研究員)
(うえまつ・きみお 税理士・全国公益法人協会首席研究員)
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- 時事解説・統計分析・寄付白書
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目 次
まえがき
本稿においては、『寄付白書』(日本ファンドレイジング協会発行。以下、「白書」という。)2010、2011、2012、2013、2015、2017の各年版に基づき、わが国における寄付の変遷について整理を行い、公益・一般法人をはじめとする非営利法人における財源調達のあり方について検討することを目的とする。白書においては、法人からの寄付についても採り上げられているが、本稿においては、個人からの寄付に対象を絞るものとする。
また、表記について、白書においては「寄付」「寄付金」が使われているので、これによるものとする。さらに、以下に掲げる一覧表において、特定年分の計数、数値、項目が表示されない場合があるが、これは、その年分について調査が行われていないことによるものである。
なお、白書における計数、数値は、アンケート結果(有効回答数は、およそ5,000〜8,000人)に基づく推計値であることに注意を要する。推計の方法については紙幅の関係から詳しく述べることはできないので白書を参照されたい。
Ⅰ 寄付金の支出に関する基本的な状況
わが国においては、従来より、欧米に比べて寄付文化が未成熟といわれるが、近年の寄付金総額及び寄付者数、寄付者率は、いずれも増加傾向にある(表1参照)。「まえがき」において述べたとおり、白書における計数、数値は、およそ5,000〜8,000人を対象としたアンケート結果に基づく推計値であるので、年分ごとの金額の差異に関しては厳密に捉えることは適当ではないと考える。つまり、寄付金総額が増加傾向にあることは間違いないものと思われるが、たとえば、2014年分と2016年分との比較についていえば、誤差の範囲での変動と
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