事業の追加・変更・廃止・統合に係る諸手続きと留意点【公益法人編】
2018年10月09日

齋藤 健
(さいとう・つよし 公認会計士・元内閣府公益認定等委員会事務局課長補佐)
(さいとう・つよし 公認会計士・元内閣府公益認定等委員会事務局課長補佐)
はじめに
現在の公益法人制度に移行して、10年が経過し、事業環境の変化に応じて、事業の追加・変更といった事業の拡大や、事業の廃止・統合といった事業再編を検討している法人も増えてきているのではないだろうか。そこで本稿では、公益法人における事業の追加・変更・廃止・統合のそれぞれについて、設例を解説しながら、留意点等について説明していきたい。
Ⅰ 事業の追加
公益法人が公益目的事業や収益事業等を追加する場合には、原則として、行政庁に対して変更認定申請が必要となる。変更認定を規定する認定法第11条第1 項に示される、「公益目的事業の種類又は内容の変更」(第2 号)、「収益事業等の内容の変更」(第3 号)に該当し、行政庁において、改めて当該事業の公益性について判断する必要があるからである。ただし、受益対象の拡大や規模の拡大であって、明らかに公益性の判断が変わらないケースについては、変更届出によることができるとされている。ここでは、様々な事業の追加のケースを見ていきたい。
【設例1 】定款変更による事業追加のケース
公益財団法人Aは、従来から奨学金の給付事業を行っていた。今般、幅広く学生支援を行うために定款に無利息で行う奨学金の貸与事業の追加を検討している。<解説>
定款変更による事業の追加は、行政庁による過去の移行認定、公益認定又は変更認定の審査において当該事業の公益性や財務3 基準への準拠性について審査されていないことから、変更認定申請が必要となる。
そもそも、定款の変更は、社団法人であれば社員総会の決議(法人法第146条)、財団法人であれば、評議員会の決議(同200条)が必要である。定款記載事項の変更のうち、事業の追加は、法人運営に重要な
月刊公益オンラインとは
財団法人・社団法人に特化した支援プログラム"シェアコモン200"の利用法人様向け実務専門誌『月刊公益』の記事を中心に、公益・一般法人に関するニュースや専門家による解説などをお届けする情報配信プラットフォームです。
詳しくはこちら
無料登録のご案内
「月刊公益オンライン」に無料登録すると、登録の方限定の記事をご覧いただけるなど、実務に役立つさまざまな特典をご用意しております。

限定記事や
実務カレンダーが読めます!
「月刊公益オンライン」の無料登録の方限定記事や各月の事務局の作業内容がつかめる「実務カレンダー」をご覧いただけます。

最新の法改正に関する
セミナーなどの情報を受け取れます!
公益認定法改正など、最新の法改正とその対応に関するセミナーをはじめ、公益・一般法人の運営に必要な知識を深めることができる講習会の情報をお受け取りいただけます。

よくあるご相談内容をピックアップして
メールにてお届けいたします!
よくあるご相談内容に弁護士や税理士などの専門家が回答するQ&A集を、メールにてお受け取りいただけます。日々の業務のお困りごとや疑問解決にお役立てください。

公益法人・一般法人に特化した専門書籍を
10%オフで購入できます!
月刊公益オンラインを運営する公益法人協会では、社団・財団法人のための出版物を多数発行しております。無料登録いただいた方は、通常価格から10%割引でご購入いただけます。