【解説】公益不認定の取消判決における法的意義と認定制度への影響
2019年09月12日
三木秀夫
(みき・ひでお 弁護士)
(みき・ひでお 弁護士)
- CATEGORY
- 法人運営・不認定・判決
- 対 象
- 公益法人・一般法人
目 次
- はじめに
- Ⅰ 提訴に至る経緯
- Ⅱ 訴訟での争点
- Ⅲ 「本件登録管理事業の公益目的事業該当性」の判断(争点①)
- 1 原告が裁判所で行った主張
- 2 公益目的事業該当性について被告が裁判所で行った主張
- 3 公益目的事業該当性についての裁判所の判断
- 4 医師等に与える影響の有無・程度
- 5 結 論
- Ⅳ 義務付けの訴えの当否(争点④)
- Ⅴ 本判決の法的意義と今後の影響
はじめに
平成31年1 月18日に、一般財団法人日本尊厳死協会(以下「尊厳死協会」もしくは「原告」という。)が内閣府の公益認定申請に対する不認定処分を取り消し、公益認定をするように求めていた行政訴訟で、東京地方裁判所(民事第3 部)は、内閣府が不認定とした処分を取り消す判決をした(被告である国側は同年1 月31日付で控訴し、東京高裁にて現在審理中。)。公益認定を巡って、不認定処分の取消しを認めた判決は新制度となって初めてのことであり、注目すべき事例であると考える。本稿では、この地裁判決の概略を説明しつつ、その法的意義と認定制度に与える影響について触れてみたい。Ⅰ 提訴に至る経緯
尊厳死協会は、昭和51年にこの記事は有料会員限定です。