実務担当者が知っておきたい裁決・判決に学ぶ租税実務[43]委員会手当の所得区分を決める要素

永島公孝
(税理士)

はじめに

 前回に引き続き、委員会手当の所得区分についての判決をみていきます。
 前回は、①給与所得ではなく事業所得とした判決として、最高裁昭和56年4月24日の判決、②事業所得ではなく給与所得とした判決として、最高裁昭和53年8月29日の判決をご紹介してきました。その続きとして、今回も給与所得と事業所得の区分を巡る判決をみていくこととします。

Ⅰ 所得区分を巡る判例

 電力委託検針員の報酬の所得区分について、裁判所は事業所得と示しましたが、判決の中で給与所得の判断については、次のように判示しました。

【福岡地裁昭和62年7月21日判決】ⅰ.採用過程は一般従業員のそれに類似す
                           

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