公益信託制度改革と公益・一般法人への影響
2023年12月14日

上仲孝明
(うえなか・たかあき 税理士)
(うえなか・たかあき 税理士)
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- 法人運営
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目 次
Ⅰ はじめに
公益信託制度は、公益財団法人と同様に民間の資金を活用して公益活動を行うための制度です。公益法人と社会的に同様の機能であることから、平成20(2008)年に先行して行われた公益法人制度改革の趣旨を踏まえつつ、公益法人制度と整合性のとれた制度とする観点で公益信託法制の見直しが行われます。平成18年に旧信託法が抜本的改正された際に、公益信託制度は当時検討中であった公益法人法制の動向を踏まえる必要があったため後に検討されることとなっていました。その後、「公益信託法の見直しに関する要綱案」が取りまとめられて法務大臣に答申され、令和 7 年に法改正が行われ、令和 8 年度を目途に新公益信託制度が施行される見通しとなっています。
本稿では新公益信託制度の概要と公益法人への影響について解説します。
Ⅱ 公益信託制度の概要
公益信託とは、個人や法人が学術等の公益目的のために財産を信託銀行等に預けて公益的な活動を行う制度です。財産の出捐者しゅつえんしゃである委託者が、信託銀行などの受託者に財産を移転・信託し、受託者はその財産を管理・処分することによってその公益目的を実現します。そのため、公益信託は社会的機能の点が公益財団法人と類似しているといえます。
特長として、公益財団法人は永続的に事業を行うことを前提にしていますが、公益信託は信託期間が短期間になることも可能なため、比較的簡単に運用することができます。また、事務所設置や職員雇用のコストがかからない利点もあります。
現行の公益信託制度は、大正11(1922)年制定の信託法において規定されましたが、社会情勢の大きな変動期にあって、長らく利用されませんでした。昭和52(19
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