仕組債の特徴⑷
2025年11月30日
上仲孝明
(うえなか・たかあき 税理士)
前回までは、代表的な仕組債として、EB債(他社株転換可能債券)と日経平均リンク債(株価指数連動債)について特徴を説明しました。仕組債はデリバティブを内包した金融商品であることから、様々な特徴を持った仕組債を組成することができます。今回は、パワー・リバース・デュアルカレンシー債について解説します。 (うえなか・たかあき 税理士)
1 デュアルカレンシー債とは
今回解説する「パワー・リバース・デュアルカレンシー債」は、リバース・デュアルカレンシー債の一形態です。そのため、はじめにデュアルカレンシー債とリバース・デュアルカレンシー債について理解する必要があります。デュアルカレンシー(Dual Currency)債のデュアル(Dual)は二重、カレンシー(Currency)は通貨を意味することから、二重通貨建て債とも呼びます。デュアルカレンシー債は、元本の払い込みと利払いが同じ通貨で、元本の償還は別の通貨で行われる債券のことです。
例えば、米国債を購入する場合には、米ドル建てで購入し、利金を米ドル建てで受け取り、満期償還時には米ドルで額面の100%が償還
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