新会計基準への備え!
財務報告におけるガバナンスとは?

森 智幸
(もり・ともゆき 公認会計士・税理士)
  Summary 令和6年基準では、財務諸表本体を簡素化する一方、詳細情報を注記に含める方針が示され、注記の量が大幅に増加する。注記の充実度は、法人内で情報を収集・共有し恣意性を排除して開示を決定する「財務報告におけるガバナンス」のレベルの表れである。特に寄付金等の管理状況を示す注記の拡充は、ステークホルダーへの透明性を高め、信頼確保や持続的成長に直結する。重要性を理由とした安易な開示省略を防ぐため、客観的な判定基準を策定・記録することが肝要である。新基準への移行を機に説明責任の果たし方を見直すことが、ガバナンス強化と資金拠出の促進につながる。  

Ⅰ 注記拡充をガバナンス強化の好機に

 令和6年に改正された公益法人会計基準(以下、「令和6年基準」といいます)では「本表は簡素でわかりやすく、詳細情報は注記等で」という方針となり、注記の量が非常に多くなります。
 令和6年基準における注記は、特に重要性との関係がポイントとなります。そして、この関係は財務報告における「ガバナンス」の充実度によって変わってきます。
 ここでのガバナンスは、注記作成において法人内で情報を収集し、判断基準を共有したうえで、恣意性を排除して開示内容を決定する体制の機能を指します。注記作成には、このガバナンスが必要であることから、いわば「注記の充実度はガバナンスのレベルの表れ」と見ることができます。そのため、注記の拡充はガバナンスの強化の好機とするとよいでしょう。
 そこで、本稿では、主に会計監査人設置法人以外の法人を対象に、注記の充実度とガバナンスの関係について説明してまいります。
 なお、本稿は私見であることにご留意ください。 

Ⅱ 令和6 年基準の概要と構

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