第4回 使途指定寄附金
~事業廃止で残ったら、どう扱う? 寄付者に確認できない場合~

 大内隆美
(おおうち・たかみ (一社)構想日本 プロジェクトリーダー(公益法人担当))  今回の事例  公益社団法人Bは、長年にわたり「伝統工芸の継承支援事業」を実施してきた。後継者の育成や材料費の助成、作品発表の機会の提供を通じて地元の工芸技術を守るこの事業は、法人の重要な柱の1つである。
 財源の1つに、20年前に地元の資産家から受け入れた1,000万円の寄付金がある。寄付者は「伝統工芸を絶やさないために使ってほしい」との意向を示しており、法人はこれを使途指定のある寄付金として受け入れ、指定正味財産として管理してきた。以来、その趣旨を踏まえながら、事業に必要な支出へと充ててきたところである。
 しかし時代とともに社会状況は変化し、工芸の担い手は次第に減少していった。後継者の確保も難しくなる中、事業を単独で維持することは現実的でなくなり、理事会は当該事業を廃止して、より広い視点で地域の文化資源を守る「地域文化振興事業」に統合する方針を決定した。事業の理念そのものは引き継がれるものの、寄付時に想定されていた事業自体

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