【詳細版】「公益法人特別限度額」が大幅に縮小!
―増税される公益法人が続出か?―
2026年06月30日
中村雅浩
(なかむら・まさひろ 税理士)
Summary 令和7年4月1日に改正施行された法人税法施行規則(22条の5第1項)により、みなし寄附金の「公益法人特別限度額」が縮小した。従来の特別限度額から収益事業の利益の50%が控除されるようになり、収益事業の利益と公益目的事業の資金不足額がほぼ同額の法人で予期しない増税が生じ得る。本稿は、A法人で約3千万円の増税が生じた事例の計算過程、影響を受ける法人の範囲、当面の回避策(「50%超繰入」と別表A⑵)を整理したうえで、認定法施行規則との比較から制度上の問題点と、あるべき制度設計(通常枠+特別枠)を論じる。 (なかむら・まさひろ 税理士)
Ⅰ A法人で生じた「不可解な増税」
令和7年度(令和8年3月期)の公益法人の法人税申告書を作成したところ、どう考えてもおかしいと思われる様式変更が現れている。『月刊公益』の編集部にも、複数の公益法人から問い合わせがあった。筆者は、ある法人(A法人という。)の法人税等を算定したところ、前年度までの計算方式に比べて約3千万円もの不可解な増税が生じた。このA法人の「不可解な増税」が生じる計算の流れは次のとおりである。① 収益事業は2億円の黒字で、公益目的事業は△2億円の資金不足である。② 当初の想定では、収益事業の2億円の黒字を、みなし寄附金として公益目的事業会計に繰り入れて公益目的事業会計の不足額に充てることで、法人税等はほとんどかからないと見込んでいた。③ ところが令和7年4月1日改正施行された法人税法施行規則に基づいて計算すると、みなし寄附金の限度額である公益法人特別限度額が半分の1億円となってしまい、1億円しか繰入ができなくなった。この結果、不本意ながら3千万円もの増税が生じた。法令改正の背景を探ると、次のとおりとなっている。④ まず法人税の計算の考え方は、
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