新任担当者のための「収益事業課税」入門
―収益事業の全体像と会計区分と税務申告のつながりを理解する―

清水謙一
(しみず・けんいち 税理士・中小企業診断士・CFP®
  Summary 公益・一般法人の新任担当者に向け、収益事業課税の基本構造を整理する。公益法人等に適用される収益事業課税と、普通法人等に適用される全所得課税の違いを確認したうえで、収益事業に該当する34業種、継続性・事業場・付随行為の考え方を概説する。さらに、公益目的事業会計・収益事業等会計・法人会計の区分経理、収益・費用の配賦、公益法人と一般法人の課税所得の範囲、みなし寄附金制度の基礎を確認し、会計区分と税務申告のつながりを実務の入口として理解する。収益事業の判定や申告準備で見落としやすい論点を把握し、次回の具体的な判定ポイントにつなげるための入門編である。  

Ⅰ はじめに

 これから2回にわたり、公益法人及び一般法人における、収益事業課税の仕組みや全体像、見落としがちな判定ポイントなどを解説していきます。
 第1回目では収益事業課税の基本的な考え方や区分経理、収益・費用の配賦の仕組み等の入門的かつ全体的な内容について解説していきます。 

Ⅱ 収益事業課税の基本構造

1 収益事業課税と全所得課税の違い

 公益法人等は本来、社会のための活動を行うため、原則として法人税を課さないこととされています。公益法人等は、補助金や寄附金、会費などを原資として公益活動を行いますが、そこに課税を行うと、活動の原資が損なわれて、公益活動を阻害する恐れがあると考えられるためです。
 しかし、公益法人等であっても、普通法人と同じようなビジネスで稼いだ利益についても課税されなければ、税金を支払っている普通法人と税金を支払っていない公益法人等の間には、不公平が生じます。
 そこで、公益目的事業以外の「営利目的になり得る特定の事業」について

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