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北詰健太郎
（きたづめ・けんたろう　司法書士）　役員等（理事、監事、評議員）が就任する際に取り付けを行う就任承諾書は、事務担当者が最も数多く取り扱う書面といえるかもしれない。
　内容はシンプルであるが、重要な役員等との接点ともいえるためミスは防ぎたいところである。本稿では就任承諾書の取り付けや作成のポイント等について解説を行う。

1　就任承諾書とは

　就任承諾書とは、評議員会や社員総会で選任された役員等の候補者が就任意思を有しているか確認するために取り付けを行う書面である。 【役員の就任のイメージ】 　法人と役員等の間には「委任契約」が生じるが、法人側が評議員会等で選任しただけでは契約は成立せず、相手方である役員等の受託の意思表示である「就任承諾」が必要になるのである。就任承諾書は、原則として役員等の就任登記における添付書面となる。 

2　就任承諾書と実印の押印

　就任承諾書には、役員等の候補者が署名（記名）押印をすることになる。一定の場合に役員等の候補者が個人実印で押印して、印鑑証明書を添付する必要があるため注意が