【ひづめの跡を追って】第2歩:レースより過酷な後半生

内野恵美
(公認会計士)

 さて、今回から馬に関する話をします。引退した後に、生まれ故郷どころか、牧場と呼ばれるところで余生を送る競走馬は少数です。
 昨年夏に、ハルウララという馬のことが久しぶりに話題になりました。10年以上前に高知県の競馬場で連敗記録を更新し続けながら走り、「負け組の星」として一時期ブームになった馬です。ブーム以降の動向は素人目にも首を傾げるものがあり、なし崩し的な現役引退、セラピー・ホース(?)への転身、遅ればせながら母になるべく北海道のどこかの牧場にいる姿のテレビ放映……。しかし、それ以降の情報はなく、よくあることですが、生死不明とまで言われるようになりました。こうして、ほとんど忘れられていた時に、千葉県の牧場にいることが報じられたのです。
 ただ、オーナーはそこに預けたまま「所有
                           

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