【論壇】歴史から見た非営利組織と複式簿記

中野常男
(なかの・つねお 神戸大学教授)
神戸大学大学院経営学研究科修士課程修了。博士(経営学)神戸大学。日本簿記学会会長、非営利法人研究学会理事。主著に『会計理論生成史』(中央経済社)、『複式簿記会計原理』(中央経済社)、『複式簿記の構造と機能―過去・現在・未来―』(編著、同文舘出版)、『会計と会計学の歴史』(体系現代会計学第8巻、共編著、中央経済社)、『近代会計史入門』(共編著、同文舘出版)他。 複式簿記は、現在、簿記の最も代表的形態とされる。そして、その起源に関してはさまざまな所説が見受けられるが、今日の通説的理解によれば、複式簿記は、13世紀初頭から14世紀末までの間に、フィレンツェやジェノヴァ、ミラノといったイタリアで、商業と銀行業の簿記実務のうちに生成・発展し、15世紀に体系的組織が確立されたと言われる。
 このように、複
                           

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