【ひづめの跡を追って】第10歩:馬との別れ
2020年05月14日
内野恵美
(うちの・めぐみ 公認会計士)
(うちの・めぐみ 公認会計士)
今回と次回は、少々重い話になるかもしれません。
馬の余生を支援していると、いずれその馬がこの世を去る時がきます。名馬の「訃報」を見て競馬場に設けられた記帳台に記帳したり、北海道の牧場へ「お墓参り」に出かけたりすることもめずらしくはありません。
そもそも馬はどのような原因で亡くなるのでしょうか。
まず、馬は4本の足で立てなくなると長くは生きられません。競馬のレースで重度の骨折をした馬を、その場で安楽死させることは比較的知られていると思います。故障した脚以外の3本脚で全身を支えているうちに他の脚に負担がかかり、体型上、長時間寝かせて治療することも難しく、他の病気を併発して死に至る可能性が極めて高いからだそうです。獣医学が進歩した現在でも、重度の骨折からの生還は極めて困
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