【景気短評】消費回復への道
2020年04月30日
門多 治
(日本経済研究センター特任研究員)
(日本経済研究センター特任研究員)
伊勢志摩サミットを終え、安倍首相は17年4月に予定していた消費税の10%への引上げを19年10月まで再延期した。さて、消費は回復するのか。今回は、今後の個人消費の先行きについてポイントを整理してみた。
2014年の消費税率引上げの半年後の本欄(本誌14年9月号)において、「民間消費の今後の基調を決めるのは、所定内給与、物価、貯蓄率の動向」、とりわけ所得面と記したが、これらの主要指標の動きを追ってみる。
まず所定内給与(毎月勤労統計)は、13年の前年比1.0%減から、14年0.4%減、15年0.3%増、16/1-3は0.4%増と持ち直してきている。16年度についても、民間予測機関39機関の平均では、0.5%増となっており(ESPフォーキャスト調査6月調査結果〔日本経済研究セン
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