【景気のゆくえ】個人消費の行方

門多 治
(日本経済研究センター特任研究員)

 18年1~3月期のGDP速報では、民間消費の不振などから前期比実質マイナス成長となった。17年度実質成長も、直前のコンセンサス予測1.8%弱に対して、消費の下方修正を主因に1.6%に下振れした。今回は、今後の個人消費の先行きをみてみる。
 個人消費の基調を決めるのは、可処分所得、物価、消費性向の動向である。
 まず所定内給与(毎月勤労統計)は、16年度の0.2%増から、17年度0.6%増、18年1~3月も1.0%増と上向きである。18年度についても、民間予測機関40機関の平均では、0.7%増となっており(ESPフォーキャスト5月調査結果〔日経センター〕)、昨年をやや上回る伸びは期待できよう。これに企業収益の高水準を背景とする特別給与(賞与)の伸びも加わり名目賃金(現金給与総額)
                           

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