【景気のゆくえ】新型コロナショック下での景気見通しの留意点

林田元就
(電力中央研究所上席研究員)

 新型コロナウイルス感染拡大に関する緊急事態宣言の実施地域は、2020年4月7日に東京、大阪など7都府県で始まり、4月16日にはすべての都道府県にまで拡大した。その後、新規感染者数の減少が認められた地域から2段階で解除され、5月25日、宣言はすべての地域で解除された。これにより、新型コロナウイルス対策は、国民の外出自粛、学校への休校要請、商業・娯楽施設に対する休業要請といった社会的隔離政策を緩和し、経済活動の再開を進めるという新たなステージに移ったと言える。
 しかし、実際には新型ウイルスが消え去った訳ではない。有効なワクチンや特効薬が開発される、あるいは、抗体保持者が一定の比率に達するまでの間は、隔離政策の緩和が感染を拡大させるという状況が続く。再び感染者数が著増し、医療の供給が逼迫
                           

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