【景気のゆくえ】雇用はどこまで悪化するのか

山澤成康
(跡見学園女子大学教授)

 2020年8月末、安倍首相が退陣を表明した。アベノミクス景気は2012年12月に始まり、2018年10月まで続いたことになる。2018年10月が景気の山となったことは、2020年7月末に内閣府が認定した。その間、就業者数は6,200万人から6,700万人へと約500万人増えた。一人当たり雇用者報酬も年平均増加率は0.7%とプラスの伸びが続いた。しかし、こうしたアベノミクス下での雇用創出の成果が、コロナ禍で消失しようとしている。
 失業率は現在までは目立って上昇していない。それは「休業者」が増えているためだ。2020年4月の休業者は、前年同月比420万人増加して、597万人だった。就業者の9%に当たる。緊急事態宣言が解除されて休業者は減ったが、7月の休業者は前年同月より34万人多い。政
                           

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