【解説】注目“答申”でみる行政庁の法人監督最前線―不認定・是正勧告に焦点を当てて―

岡本仁宏
(おかもと・まさひろ 関西学院大学教授)
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    • 時事解説・公益認定・行政庁
  •  対 象 
    • 公益法人・一般法人
目  次
昨年度相次いで出された不認定答申や委員会勧告。これらの行政文書の行間から見えてくる「公益性」への考え方とは? 政治哲学の専門家が読み解いていく。

Ⅰ はじめに~誰が「公益」を見張るのか~

 2006年制定、2008年12月施行の公益法人制度改革は、その法制定後10年を経た。公益法人認定法(以下、「法」という。)の附則には「政府は、この法律の施行後適当な時期において、この法律の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、この法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする」とされている。
 法律上「施行の状況を勘案」する主体は、政府であるが、民間、特に市民社会セクターでの検討は不可欠であろう。本稿は、その作業の一環とし

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