【景気短評】サービス業の動きをつかむ

山澤成康
(総務省統計委員会担当室室長)

 サービス業をはじめとした第3次産業は、国内総生産(GDP)の4分の3を占める。それにも関わらず、サービス業の動きは統計でうまく捉えられていない。GDPを中心とした統計制度は製造業中心の時代に作られたもので、時代の変化に対応できていない面がある。
 製造業は統計になじみやすい。鉄を何トン作ったか、自動車を何台作ったかはすぐ把握でき、生産量の増減は目に見える。一方、サービス業の成果物は目に見えない。喫茶店のサービス、運輸業のサービスなどは、記憶には残るかもしれないが、持ち帰ることはできない。
 さらに質の問題が大きい。例えばうどん屋である。100円で食べられる店もあれば、1,000円以上する店もある。店構えによっても値段が変わる。価格指数の基本は同じ質のサービスについて時間を追って
                           

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