【会計バカ一代】其之三 さらば愛しき編集者よ

古市雄一朗
(大原大学院大学准教授)

担当編集者交代劇

 秋も深まった昼下がり、私の研究室に激震が走った。なんと、本連載の担当編集者が交代するという。この連載の不発の責任を取らされたのかと一瞬不安になったが、どうもそうではないらしい。その編集者は、この会計バカ一代を世に出してくれた恩人であり、その恩は海より深く、ちょっとラーメンをご馳走すれば済むようなものではない。少なくとも大盛ぐらいにしなければと常日頃感じ入っていた。実際にその編集者は、とても有能で、容赦無く締切までに原稿を催促するスキルと執筆者からの原稿料の値上げ交渉を巧みにかわすテクニックについては、他の追随を許さないものがあった。江戸時代に生まれていたら、農民から年貢を容赦無く取り立てる役人として名を馳せ、城のひとつでも築いていたであろう。つくづく惜しい話である
                           

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