【非営利組織のファンドレイジング戦略】第19回 大口寄附者に対するファンドレイジング戦略(その1)

堀田和宏
(近畿大学名誉教授)

はじめに

 寄附者関係づくりファンドレイジングについて、非営利組織がもっとも関心を寄せて注力するのは所謂(現在及び潜在の)「大口寄附者」である。したがって、一定規模以上の組織では、ファンドレイジング戦略は組織の支持基盤が広くて定期的な寄附が多くても、大口寄附を引き出す有効な大口寄附獲得戦略がなければ完結したとはいえない。そこで、組織は1回もしくは複数回の大口寄附を集めるために仕組んだファンドレイジング戦略を特定の部局やスタッフを備えて展開することになる。この大口寄附者に対するファンドレイジング戦略は寄附者の個別化が基本であり、その個別化の効果が大きい戦略である。
 この大口寄附者とはどのような寄附をどれだけ出す人なのか、大
                           

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